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2008年4月1日

シェンゲン国入りから3ヶ月、空港の出入国管理も撤廃

2007年12月21日、バルト三国をはじめ東欧などの9カ国は、ヨーロッパ内において 共通の出入国管理政策および国境システムを可能にするシェンゲン国の仲間入りを果た したが、安全管理上の都合で空港だけは出入国審査が続けて行われてきた。

しかし3月31日 をもって空港の検問所も廃止され、4月からは最初にヨーロッパに入った国で入国審査を通ると、 シェンゲン国内では陸路だけでなく空路でも自由に移動ができるというわけで、これで完全 にシェンゲン国同士の国境には検問所が一切なくなる。したがってエストニアからラトビア、 ラトビアからリトアニアにもバスや車で移動しても止められることもなく、パスポートを 見せることもないし、空港でも国内線に乗っている感覚になるだろう。

日本はシェンゲン国に対してはビザ免除国だが、これまで一カ国90日までビザ不要だったと ころも、シェンゲン国全体で半年以内90日の滞在までビザ不要という条件がつくので要注意。 長期間ヨーロッパを旅行する場合はシェンゲン査証取得をしなければならない。

これでバルト三国は正真正銘ヨーロッパになったことになるが、その反面東側国境線を守る 役割は重くなったので、三国はさらなる協力関係を強めている。



2007年8月2日

バルト三国、クリスマス迄にシェンゲン協定実施国に仲間入り

タリン発、
バルト諸国は12月までに シェンゲン協定に基づく国境自由往来地域(シェンゲン地域) 加入を許される道程を順調に歩んでいる。EUの幹部は、これは新しい加入国への “クリスマスプレゼント”になるだろうと言っている。

EUの法務担当理事であるFranco Frattini氏は、エストニア、ラトビア、リトアニアの 三国間の国境の撤廃は2007年12月、空港での国境管理は2008年3月までに実施を予定していると語った。

EUの幹部は、これまで国境管理を検査するためにバルト諸国を度々訪れているが、 法務担当理事はシェンゲン地域加入の準備が整った国を既 に発表しており、最後の決定は11月に開かれるEU発足当初からの加盟国の内務大臣 で構成されている法務・内務理事会(Justice and Home Affairs Council)に託さ れることになった。

加入候補国の情報システム、情報管理、法務当局間の協力体制、EU域外に対する国境管理、 など、シェンゲン協定に基づく全ての要求事項が満たされているかどうか、その準備状況が 各国ごとに検討される。もし全て “YES”であれば、理事会は満場一致をもって加入を承認 しなければならないことになっている。

エストニアでは、内務大臣がこれらの全ての要求事項を満たす準備ができているこ とを示唆した。内務省のスポークスウーマンがBaltic Timesに語ったところによれば、 最近の準備状況の点検結果は極めて良好とのこと。「本件に関する作業部会は、準備作 業の展開、進行、並びに適切な業務の執行を確認しており、エストニアの国境はシェンゲン 協定要求事項を満たしていることを宣言した」と語った。9月にはエストニアのシェンゲン情報 システムの使用状況と、タリン空港のセキュリティーシステムが綿密に検査される。

2004年にEU加盟バルト三国はじめ中欧、東欧諸国の人々にとって、国境の出入国管理検問所 を通ることなく自由に行き来できることになり、実現すればまさしく“クリスマスプレゼント” となるが、シェンゲン加盟国への短期滞在査証免除国民である日本人にとっては、 その適用範囲がバルト三国も含まれることになるため、査証なし滞在日数がヨーロッパ全体で 3ヶ月ということになるので、旅程つくりの際には注意が必要になるだろう。
Baltic Times 01Aug.2007