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2006年7月23日

バルト三国灼熱の空の下、森林火災も


 昨冬記録的な寒さを経験したバルト三国は、今30度を越す、 うだるような暑さに見舞われている。エストニア中央部では35度を記録。 ラトビアのリガ市でも先週末33.1度と7月の最高気温に達した。 バルト海沿岸は炎天下で日光浴を楽しむ人々で溢れているが、ラトビアでは11人、 リトアニアでは12人が溺死、海の悲劇はまだ続いている。また、 この暑さで広い地域で森林火災が起こり、エストニア北東部では60名の消防隊だけ でなく兵士や沿岸警備隊のヘリコプターも出動、消火活動につき、 住民には非難を呼びかけている。フィンランドからは助っ人消防士も協力した。
 ラトビアでは、ボランティアの消防士も募り、カルヴィティス首相は問題解決の ために特別議会を召集した。リトアニアでも発生している森林火災はぼやを含め800を数え、 関係者を悩ませている。
 エストニアの首都タリンでは老人やサマーキャンプ中の子供たちへの救急車出動回数が多いが、 折りしも音楽とビールの祭り(Ollesummer)期間中でもあり、炎天下でビールを飲みすぎて急性 アルコール中毒になり、救急車出運ばれるケースもあった。また子供を車に置き去りにしたまま、 ビールを買いに出て戻ってみたら子供がぐったりしていたケースもある。しかしこれまでのとこ ろ最悪の状態には至っておらず、冷水を飲ませ体を冷やすことでほとんど回復しているのは 幸いなことである。
 一番喜んでいるのはアイスクリーム工場。6月は例年の17%増、7月は27%増を記録し、 工場は24時間体制で稼動して需要にあわせ、さらに4千万クローン(3.5億円)の増収を期待している。
 当局はバルト地域の住民にとって経験のない暑さだが、そう長くは続かないので 大半の人々には大きな影響はないだろうと楽観視している。
The Baltic Times 7/19 より