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2005年8月31日から9月3日、指揮者エリ・クラス率いるエストニア・タリン室内管弦楽団と
ラトビアの若きピアニスト、ヴェスタード・シムクスが来日、東京オペラシティ、河口湖円形
ホールおよび鎌倉建長寺にてコンサートを行い大成功で幕を閉じた。
エストニアやラトビアの国名さえ知らない人から、バルト音楽の質の高さを知っていて来場
した人だけでなく、弟子を取らないことで有名なDmitri Bashkirovが直接指導している若いピア
ニストの演奏を聴きたくて来たという人、日本の演奏家とのコラボレーションを楽しみに来た人
など、観客の思惑は様々だったが、演奏後は期待以上だったと皆大満足そうに笑顔で会場を後
にしていた。
東京会場では松下功作曲の「如月に」を能管奏者赤尾三千子と共演、河口湖会場では、
2004年エストニア合唱祭に参加したノン・ジャンル・アカペラ歌手、おおたか静流と温かい
声のナレーター、磯野弘のトークショーで始まるアットホームなコンサートが実現。
さらに蝉時雨から夕暮れと共に秋の虫の音に囲まれた鎌倉建長寺方丈会場では、篠笛奏者
鯉沼廣行との共演や、指揮者エリ・クラスの温かい人柄を思わせる指揮と演奏に惜しみない
拍手が送られた。また、日本初演のヴェスタード・シムクスのピアノ演奏には、もっと聴き
たかったの声が多く聞かた。東京会場には相撲の三保ヶ関親方とエストニア出身の把留都関
も壇上に昇り、大いに会を盛り上げた。
このイベントは2005年EU・日本市民交流年参加行事として行われた。
2005年8月31日 東京オペラシティ 19:00~21:00
2005年9月2日 河口湖円形ホール 第1部 17:30 第2部 19:00
2005年9月3日 鎌倉建長寺 方丈 17:00~19:00
書評を読む(ラトビア音楽協会会報より)
曲目
アルヴォ・ペルト: Orient/Occident(東洋と西洋)
Fratres(兄弟)
シベリウス: 組曲「恋人」 作品14
松下 功: 「如月に」(2002) ~能管と弦楽合奏のための~
アルフレッド・シュニトケ: コンチェルトグロッソ1番
ドミトリ・ショスタコーヴィチ 協奏曲1番 ピアノとトランペットのための
ペーテル・ヴァヒ: フルート協奏曲 the Chant of Bamboo (竹の聲)
モーツアルト:アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク
アンコール曲
シベリウス:悲しみ
ヨハン
ヨーゼフ ・シュトラウス :ピッチカート・ポルカ
演奏
指揮 エリ・クラス
タリン室内管弦楽団
ピアノ ヴェスタード・シムクス
トランペット インドレック・ヴァウ
ソロ・ヴァイオリン ラッセ・ヨアメッツ
ソロ・ヴァイオリン アルヴォ・レイブル
能管 赤尾三千子
篠笛 鯉沼廣行
トーク&ヴォーカル おおたか静流
トーク 磯部 弘